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サンフランシスコのサワードウ

サンフランシスコで有名な食の伝統といえば、シーフードやギラデリのチョコレートのほかに、サワードウブレッドがあります。ほのかな酸味があり、中はしっとり、外はパリッとしているのが持ち味のパンです。サワードウブレッドは街の至る所で買えますが、少し足を伸ばしてでも行く価値のある名店も数多くあります。

サワードウブレッドの歴史は、カリフォルニアのゴールドラッシュの時代にまで遡ります。1846年ごろ、新天地を求める人々が次々に押し寄せてきたことから、数百人ほどだったサンフランシスコの人口は数十万人まで膨れ上がりました。その中には、1849年に米国へ移民してきたフランスのパン職人一家、ボウディン家もいました。ボウディンは天然酵母や菌を使ってパンを焼いてみたものの、サンフランシスコの気候は故郷のフランスとはまったく異なることがわかり、まったく新しいタイプのパン、サワードウブレッドが誕生したのです。

サワードウブレッドの街、サンフランシスコ
サワードウブレッドの街、サンフランシスコ

サンフランシスコ

ゴールドラッシュ時代からのパン

ボウディンベーカリーは、サンフランシスコで初めてサワードウブレッドを焼いたパン屋さん。サワードウブレッドは瞬く間に大人気となり、金で幸運をつかむべく出発前にしっかりした朝食を摂ろうとやって来る鉱山労働者で、毎朝、カフェは満員になりました。ボウディンベーカリーの店舗は、今やサンフランシスコ内外にたくさんあります。サワードウブレッドは、現在も1849年当時と同じレシピで作られています。
サンフランシスコの人たちの多くがお勧めする、街で一番のサワードウブレッドは、長い行列ができるミッション地区のタルティーンベーカリー。週末になると、その街角はあっという間に長蛇の列となります。ほとんどが地元の人たちで、みんな何度も通い詰め、その美味しさを称えています。午後5時にパンが焼き上がると、いつも1時間で売り切れてしまいます。また、フェリービルディングにあるアクメブレッドカンパニーでも、1日中焼きたてのサワードウブレッドが手に入ります。

サワードウブレッドを紹介したボウディン
食べられるスープボウル

パンの器に入ったスープ

サワードウブレッドで作るスープの器も、とてもポピュラーです。風や霧、潮気を含んだ海の空気にさらされる寒いサンフランシスコの夜には、パンの器に入った温かいスープに勝るものはありません。このスープの器はサワードウブレッドでできているので、すべて食べられます。食べられるスープの器はサンフランシスコ生まれというわけではありませんが、クラムチャウダー(貝のスープ)と組み合わせたのは、この街ならでは。フィッシャーマンズワーフ周辺のレストランでいただくのがお勧めです。

写真提供

  • サワードウブレッドを紹介したボウディン: Dan Dickinson, Flickr