ローマの象徴、コロッセウム
ローマで最も有名で、おそらく最も印象に残る建物はコロッセウムでしょう。ローマ時代に遡るこの巨大な円形競技場は、ウェスパシアヌス帝の命により、コンクリート、泥炭、レンガを使って建設されました。ユダヤ戦争で捕えたユダヤ属州のユダヤ人を奴隷として使い、紀元72年から80年まで8年の歳月をかけ、高さ50m、収容観客数5万人超という大建造物が完成しました。
美しいアーチ状のカーブを誇るコロッセウムの内部では、剣闘士同士が、あるいは剣闘士と猛獣が戦いました。観衆の見守る中、戦車のレースや、ボクシング、アーチェリーの試合もありました。演劇は、有罪判決を受けた罪人が犠牲者の役となって上演中に実際に殺されるなど、血なまぐさいものが少なくありませんでした。残酷ですが、古代ローマ人はこの種の演劇に立ち上がって拍手喝采したと言われています。